「実力さえあれば、仕事は自然と入ってくる」
そう考えてフリーランスになったものの、思ったように案件が取れない、単価が上がらない、収入が安定しない──そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
フリーランスにとって重要なのは、スキルだけでなく“営業力”です。どれだけ高いスキルを持っていても、それを必要とする人に届かなければ価値は発揮されません。そして何より、「商談の場」で価値を伝え、契約を勝ち取る営業の力がなければ、集客の努力も実を結びません。
この記事では、なぜフリーランスに営業が必要なのか、その基本と実践方法、そしてマーケティングだけでは売上につながらない理由についても解説します。
なぜフリーランスに「営業」が必要なのか?
1. スキルがあっても「見つけてもらえない」
SNSやクラウドソーシング、フリーランス向けエージェントが増えたとはいえ、**“待っているだけ”では仕事は来ません。**世の中には同じようなスキルを持つ人が無数にいます。実力があっても、「知ってもらう」「選ばれる」までのプロセスがなければ、ビジネスにならないのです。
2. 「集客」はスタート地点、「営業」がゴールを決める
マーケティング(集客)によって問い合わせが増えても、実際の商談で「この人に頼もう」と思ってもらえなければ意味がありません。つまり、いくらSNSでバズっても、案件の受注には“営業力”が必要です。
- 商談でうまく話せない
- 自分の価値を伝えきれない
- 相手のニーズを引き出せない
こうした問題があると、せっかくの集客努力も売上にはつながりません。営業力とは、自分の価値を“相手の言葉”で説明できる力でもあります。
3. 単価を上げるには「価値を伝える力」が不可欠
営業は、ただ案件を取るだけの行為ではありません。自分のスキルや仕事の価値を、相手に正しく伝え、納得してもらうためのコミュニケーションです。価格競争に巻き込まれないためには、営業活動を通じて「なぜあなたに頼むべきか」を伝えられることが必要です。
営業が苦手なフリーランスでもできる営業活動の基本
■ 自分の強み・価値を明確にする
営業の前提は、「何ができるのか」「なぜそれが価値なのか」を自分で言語化できることです。例えば「Webデザインができます」ではなく、「売上に直結するECサイトのUI改善に強いです」と伝えられるかが重要です。
- どんな成果を出してきたか(実績・ポートフォリオ)
- 他のフリーランスとの違い(専門性・対応力・スピードなど)
- 顧客にとってのメリット(コスト削減、売上アップ、業務効率化 など)
これらを明確にし、文章・話し言葉の両方で伝えられるようにしておきましょう。
■ 情報発信で「自分を知ってもらう」
現代の営業は、直接訪問やテレアポだけではありません。SNS、ブログ、note、YouTubeなどを使って自分の考えや仕事の進め方、実績を発信することで、見込み顧客の目に留まりやすくなります。
- SNS:日常の仕事風景やミニTipsを発信
- note・ブログ:専門知識の解説や価値観の共有
- ポートフォリオ:実績を一目で伝えられる場
こうした発信は「営業しなくても選ばれる存在」になるための土台です。
■ 商談力=ヒアリング力×提案力
集客ができても、商談で契約に至らないフリーランスが多いのは、「話し方」と「提案の仕方」が弱いからです。営業力とは、売り込むことではなく、相手の課題を聞き出し、それに合った解決策を提示する力です。
- 相手の話を遮らず、ニーズを深掘りするヒアリング力
- 相手の立場に立った提案(課題→解決策→成果のイメージ)
- 料金の根拠や工数の説明がロジカルで納得感があること
一度の商談で信頼を得られれば、単価交渉もスムーズになり、継続依頼につながる可能性も高まります。
案件を得るための「入口」は広く、商談は深く
■ 案件獲得チャネルの例
- クラウドソーシング(Lancers、クラウドワークス)
- フリーランスエージェント(レバテック、Midworksなど)
- SNS(X、Instagram、LinkedIn)
- 既存顧客からの紹介
- セミナー・交流会でのリアル接点
チャネルは多い方がリスク分散になりますが、最終的に受注できるかどうかは、営業力にかかっています。「話せる」「伝えられる」ことが、売上に直結するスキルです。
まとめ:営業はフリーランスにとって“売上をつくる力”
営業は、単に案件を取るためのテクニックではなく、**「自分の価値を届けて、選ばれるための行動」**です。マーケティングや情報発信も重要ですが、商談という“勝負の場”で成果を出せなければ、売上にはなりません。
- 自分の強みと実績を言語化し
- 顧客のニーズを正確に掴み
- 解決策としての「自分」を提案する
この一連の流れを「営業力」として身につけることで、フリーランスとしての収入もキャリアも安定し、広がっていきます。
「技術はあるのに売れない」状態から抜け出す第一歩は、営業を避けずに“戦えるスキル”として磨いていくこと。今のあなたに足りないのは、スキルではなく「伝える力」かもしれません。